| 『ドン・キホーテの死生観』の内容 |
詩人哲学者ウナムーノの思想を紹介する本邦唯一の本格的研究書
ミゲル・デ・ウナムーノ(1864-1936)は、まだ日本では充分に紹介されていないが、オルテガと並ぶスペインの代表的な哲学者。
彼が問い続けたテーマは、「自分とは何か」というアイデンティティーの問題と、「死後の生はあるのか」という個人の終末の問題だった。
しかし同時に、国際化の流れが押し寄せ、その反動として国粋主義が台頭した当時のスペインにおいて、彼は「民族とは何か」「伝統とは何か」を追求し続けた。
その考察から導き出された「個に徹して普遍に至る」というウナムーノの方向性は、かつてのスペインのように国際化が叫ばれる21世紀の日本社会にも大きな示唆を与えるものと言えよう。そこに今、ウナムーノを学ぶ意義もある。
本書は、宗教哲学、比較文化論、人間学、スペイン思想史にまたがる内容を有しているが、キリスト教弁証学の分野にも関連するテーマを扱っている。