●キリスト教書は売れているのか



 いまキリスト教書の売り上げはあまりかんばしくないようで、冬の時代だといえるかもしれません。一時期、出版界では「聖書関連の企画にははずれがない」と言われていた時期がありましたし、20年くらい前でしたら、地方でも大型の書店ならば、キリスト教書のコーナーは今より確実に大きかったはずです。それがいつの間にか、人文関係の書棚の片隅に追いやられることも珍しくなくなってきました。
都内のある書店では、キリスト教書がたった8冊しか置かれていませんでした。聖書数冊と大手・中堅出版社が出した新刊本のみ。売場面積もかなりある、JRの快速が止まる駅前の書店です。

おそらくこの傾向は全国的なものではないでしょうか。弊社にも読者の方から「キリスト教書が近くの書店にない。どうすればよいか」という意見が寄せられることもありますが、教文館や女子パウロ会のような大きな出版社の本でさえあまり見かけないそうです。いつから、そういった傾向になったのでしょうか。

一つ思いつくのは、一連のカルト問題です。統一協会やオウム真理教などの話題がワイドショーで取り上げられるにつれ、そして「宗教はアブない」と言われるようになるにつれ、宗教書のコーナーが小さくなっていきました。書店によっては「精神世界」の棚に申し訳程度に置かれていることもあります。

 もちろん、キリスト教への人々の関心が低くなっているという問題が一番大きいのでしょう。キリスト教書が売れているのに不当な扱いを受けているではなく、売れなくなっているから扱いが小さくなっているわけです。流通業界は売り上げデータがモノをいう世界ですし、勢いを取り戻したかにみえる仏教書に対して、キリスト教書があまり売れていないことは事実のようです。

 大きな夢ですが、この現状をどうにか打ち破りたいと思います。キリスト教は、書籍からしか学ぶことができないわけではありません。人との出会いからでも学べるでしょうし、教会で開かれる講座からでも学ぶことができます。しかし、書籍が依然として重要なツールであることは今も変わっていないと思いますし、これからもそうであると信じています。

「まず福音があらゆる民に宣べ伝えられねばならない」(マルコ福音書1310

時が良くても悪くても、この出版活動が福音宣教の一部分として展開できればと心から願っています。(N)


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