『香部屋係のハンドブック』書評

誰もが探し求めていた手引書

『福音宣教』誌2005年4月号「この一冊」

  誰もが探し求めていた手引書が刊行された。本書が刊行されたことで、ミサの祭具や聖具の扱いについての長年の疑問が解消した。まるで、かゆいところに手が届く、ということわざのように、私たちの必要性に真正面から応えてくれた解説書が世に出た。
  教会や修道院の香部屋係になったとき、最初はきっと、誰もが戸惑うことだろう。プリフィカトリウム、マヌテルギウムってなんだろう。カリスふき布、手ふき布。いったい、どっちがどっちだろうか……。しかし、こうした知識は常識だという暗黙の風潮があって、先輩方に聞くにはちょっとした勇気が必要になる。ところが、本書を読めば教会用具の名称や使い方が明確に理解できる。ただし、教会によって、また修道院によって、布のたたみ方や収納の仕方などに特色や伝統があり、本書の説明とは違うことも、現実にはたくさんある。本書だけが正しく、他の方法はまちがいと決め付けるのは、本書の刊行の目的からはずれてしまう。聖堂の数だけ、あるいは、ミサの数だけ、具体的典礼への適応が存在するからだ。
  白浜師は、福岡サン・スルピス大神学院や東京カトリック神学院などで典礼を教えると同時に日本のカトリック教会の典礼委員会でミサや祈りの典礼文の翻訳監修に尽力しておられるが、子どものころからの疑問に誠実に向き合って本書をまとめてくださった。そして、齋藤氏は、長年にわたる香部屋担当者としての経験を活かしながら教会用具の扱い方や衣装などの洗濯・管理方法を具体的に示してくれている。「奉仕するよろこび」が常にテーマになっている。とりわけ、主イエスのいつくしみとゆるしを最も充実したかたちで実現する「ミサ」を心をこめて準備してきた氏の長年にわたる真心が文章化されているのは特筆に価する。そして、高崎氏による適切な図解や写真も多数掲載されており、読みやすい仕上がりとなっている。本書の普及により、典礼への理解がいっそう深まることを願うところである。(編集部)


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